大野佳典


茨城県芸術祭展覧会に毎年入選する実力者。卓越した造形技術による独自の景色の美しさは秀逸です。

白磁盃

69×69×H41    日本橋高島屋個展2023.10
「颯 」が込められた盃です。造形の匠である作り手の巧が施されています。口縁にある突起が二点の場合は、高台も二点となり、突起三点は高台三点となります。独自の必然性により生み出された美しい造形と高台に感心しました。

白磁器

「颯 」

白磁展「颯々 」日本橋高島屋個展(2023.10.25~11.6)
轆轤引きで基本形を造形し、その張りや美しい佇まいを生かしながら、それぞれの「颯々 」に仕上げた作品群です。画像の作品は、テーマを象徴する小作品です。陰影美の白磁は「静」の世界観ですが「颯 」という「動」を加える事で白磁の世界観の広がりを感じました。通常の焼成では成立しないため、設置方法など試行錯誤を重ねられたそうです。大きな作品には一層の創意工夫が必要と思われますが、作り手のお話から道筋は見えているように感じると同時に、道を切り開いて行く作り手の気概を感じました。

白磁茶

121*121*H116
幾何学的な彫りの景色です。美しい反復は冷たい印象よりもハニカム構造のようにリズミカルです。昆虫のからヒントを得た自然の構造のような暖かな景色にも見えます。