田上真也


様々な作品が生み出され、無限かと感じさせるほどの、可能性と魅力。時に圧倒され、その「呼びかけ」は私を悩まし、振り回される日々であります。卵の殻、貝殻、種子の殻・・・成長に伴うあらゆる生命活動に欠かすことのできない存在としての「殻」殻より出でる瞬間から始まる、新たな生命活動の予感太古の時代、海中より爆発的に進化を遂げた生命の痕跡それらを感じて戴ける存在でありたい(ギャラリーLabo作家案内より抜粋)

盃 殻 -shell-

6060*H39
器が重なったようなアンバランスの美凹面と凸面の組み合わせが連続していながら、張りと瑞々しさがあり、植物の“生命感”を感じる作品となっている。粉引きの掻き取りと鮮やかな青彩による景色が主軸の作品。造形は、二つの造形を合体させるのではなく、紐造りで造り上げる。合体では、つなぎ目にヒビが入る事があるからだそうだ。掻き取りの模様は、全体に一体感があり、植物の実のようだ。模様の始まり部は、若干、表面的な印象を受けた。「小さく造るのは大変難しく、納得のいく作品に なかなか なりません。」と言われていた。サイズを小さくし、作品が醸し出す雰囲気をそのままに作陶するのは、生地の厚みや細部の仕上げも含め、かなり神経を使う難しい作陶だと聞く。