伊勢﨑　淳


備前焼人間国宝

備前黒酒呑

64・59・H59
景色の表現に「宇宙のような」と言われるが、本作の景色は正に宇宙のような広がりと星雲のながれが見て取れます。細かな綺羅星が、見込みから昏々と湧き出でています。口縁全周の胡麻は、甘味な蜜の滴り口縁から高台までに達する胡麻の流れは、朝鮮唐津を凌ぐ金と黒の共演黒海に流れ込む金色の緩やかな広がりは、深々と海溝へ沈んで行くぽったりとした厚みのある口縁に、唇が誘われます。柔らかな張りのある胴に大河の如く、ゆるりと流れる胡麻は、高台まで流れ、妖艶な腰つきとなっています。