小川待子


パリ留学時に鉱物博物館で鉱物に出会い、自然物の美しさに衝撃を受けた。その後、西アフリカで叩き技法による土器など、小川の陶芸の原点となり、唯一無二の作陶となった。

花器

185*165*H105
天然、人工の境なく、自然は、それらを元の姿に還そうとします。陶 は、土と炎という自然の恵みにより、この世に生まれ、時の流れにより、土に還っていきます。小川待子先生の「陶」は、見る者に、このシンプルな“自然の原理”を思い出させます。個展期間中、この作品に“花”を活けていました。その“美しき場”に“陶力”を強く感じ、感動しました。落ち着きのある銀彩、胴と腰部の丸み、少し傾かせた佇まいから感じる緊張感と気品、開口部の造りから感じられる“朽”に導く自然の力。それらが、一体となって“陶力”となっていました。その美しさは言わずもがな“花器”として“命”あるものと共存する事により、互いの美しさを高めるも“陶力”です。「陶」から“癒し”を感じ「陶」により“生命の存在(生命観)”について思考する唯一無二の不思議な「陶」です。

白金盃

44*40*H60
胴のひび割れについて「なんにもないとつまらないでしょ」と言われていました。鉱物がヒントの作品を拝見し納得しました。

香合「鉱石」

59*46*H42
鉱石好きによる香合です。実物の鉱石から型を作り作陶されました。