太田修嗣

- 木漆工芸 - 


 太田さんは松山市出身。30歳を過ぎてから神奈川県にある鎌倉彫の工房(呂修庵・塗師)に入り、木漆工芸の技を学んだ。その後、村井養作氏に師事し蒔絵および変り塗りを学んだ。

 30年ほど前から故郷に近い砥部町の山間部に工房を構え、うつわや箸など漆塗りの食器を作り続けてきた。分業(ろくろ・指物・刳物)が一般的な漆の仕事だが、太田さんは木地づくりから塗りまで一貫して手がける数少ない職人だ。

五弁根来盃

  68*68*H46
 木削り出しならではの厚みのある造形は、木の温もりを感じます。 口縁の造形は唇当たりも柔らかく、まるで花笑みのようで蕾のほころびに見て取れます。朱溜漆と相まって上品な色気を感じる器となっています。

 指先が薄皮で熱い物が持てない私には日々の茶杯に最適な器となりました。


角盆

  240*182*H20
盆鑿で削られた刀痕は荒々しくも整然と並び、木目を御しています。木目と刀痕が相まった景色は、光をまとい奥行きを感じます。職人の巧が生み出した景色です。