五味謙二


大学1回生の時に自分が惹かれるものを探そうと本屋さんへ出かけたのが陶芸を始めたきっかけだそうです。陶芸雑誌に目が留ったところから始まり、陶芸教室、大学の陶芸サークルに所属し、学生時代から陶芸に没頭します。3回生になり進路を決める際に陶芸を続けることを決心し、卒業後は3年間沖縄県那覇市の壺屋で修行生活を過ごしました。2004年、26歳の時に大学サークル時代の友人との縁で、多治見へと移り、それまで五味さんが学んできた民芸の器とはまったく違う、立体作品と出会います。また、多治見には一足先に脚光を受ける同年代の若手作家も多く、刺激的で、焦燥感もあったと当時について話してくれました。食器だけでなく、立体作品も作られる五味さんに今後の作品について尋ねてみると、新しい釉薬も使いたいし、立体作品も可能であればさらに大きなスケールに挑戦したいと、次作への創作意欲の高さが印象的です。新しいものへの挑戦には只々目新しさを求めるのでは無く、自分の作品の中からいい部分を見つけ、そこから新しい表現を求め作り続けていきたい、と陶芸を始めた頃と変わらない姿勢が感じられます。(ボイスオブセラミックス作家紹介より抜粋)粘土を細長く伸ばしたものを重ねていく「ひも作り」の手法で、2体の陶器を組み合わせた。人体を想起させる優美な曲線が絡み合う造形が印象的(毎日新聞コラムより抜粋)

炭化焼成ぐい呑