山田 想


祖父は、三代目山田常山は常滑焼(急須)の人間国宝。修行時代、祖父に可愛がられ絶妙な轆轤技術を習得されました。常山窯秘伝の朱泥の急須では、注ぎ口に指先を一触れするだけで心地よい注ぎ感覚を作り出します。

朱泥急須

82*93*h85
一つとして同じ造りは有りません。肉厚3mmの作陶胴、持ち手、注ぎ口、蓋、細かな造形は、一点一点異なります。寸分違わず、型造りの如く作陶するのは、想にとっては、何ら難しい事ではありません。しかし、それでは、楽しくない。本作は、最小の作陶域に達しています。玉露の急須、煎茶の急須と比率で小さく作陶されました。指先より小さな造りは、道具も使うようですが、極端に柔らかい朱泥を薄く小さく作陶するのは至難の業です。軽やかにやってのける山田想は、やはり天賦の才以上の何かを持っているに違いありません。

青ぐい呑

5757*H56
本作は青シリーズの中でも白場が多いです。全体に入った貫入が作品に品位を与えています。見込みの煌めきに向かう青の流れは、垂れ入っている印象と青い波が広がり上昇している印象が混在しています。動きのある景色が面白いです。

窯変青釉湯冷まし

97*75*h45
急須作りの技術が生かされている注ぎ口です。注ぎ口は注ぎやすい様に少し斜めに位置されています。窯変でガラス化した底の釉薬の貫入が美しいです。