yunomi - 砂漠のゼブラ - オブジェ
本作は湯呑を模し高台も造形されたオブジェです、器ではありません。磁土と長石をブレンドした独自の土で造形し、ゼブラ模様のシートを転写し焼成した作品です。長石の塊が磁土泥で満たされた湯呑の中に閉込められています。長石を志野釉としてではなく単味で景色とする作品は拝見したことはありますが、内部に閉じ込めた様を景色とする作品は初めて拝見しました。長石が人の手で作られた造形や景色を破壊した様は、鉱石の煌めく美しさには人智を超える力がある事を実感できるオブジェです。用の美とは対局にある作品ですが、陶芸の原点である自然物の恵みを強く感じる作品と思いました。会場に用の物が並ぶ中、違和感なく並んでおり、手に取りその重さに驚きました、笑。全ての松永作品に垣間見る、慣習に囚われない美的直覚を感じる事ができる作品です。