中井波花
2019 多治見市陶磁器意匠研究所 卒業現在 金沢卯辰山工芸工房<賞歴>2018 高岡工芸クラフトコンペティション 入選2019 第4回 金沢・世界工芸トリエンナーレ 入選2020 第76回 金沢市工芸展 北國新聞社社長賞2020 第54回 女流陶芸公募展 入選2021 笠間陶芸大賞展2021 優秀賞
《作り手HPより》私は、陶芸において、ごく当たり前に使われる土と釉薬を、融点の異なる陶芸素材と再解釈しやきものの新しい表現を追求したいと考えています。手でつくる造形、火のエネルギー、素材の性格が、それぞれに能力を発揮して、折り合いのついたところが、形となり作品となります。 内側と外側の最小限の境目のように、手捻りで薄く伸ばされた土。表面に現れるシワの跡は、地層のように成型時の環境やその過程があらわれます。 成型時の環境やその過程が強調されるように、母体となる土に比べ、融点の低い釉薬が層の一つとなって、焼成で造形に変化をもたらしています。それは歪みやヒビ割れといった、陶芸では蔑ろにされてしまう荒々しい表情ですが、私にとってそれはとてもやきものらしく、力強く繊細な美しさだと考えています。 私の世代は、科学技術の進歩に伴い、多くのことをコントロールすることができる時代に生まれ育 ちました。隅々まで思考を巡らし、先回りして自分の思い通り物事を進めようとしたり、そうあることを 期待したり期待されたりします。しかし本当は、仕方のないことに諦めさせられ、救われることもあっ たはず。そう制作、作品を通し日々気づかされています。荒々しく、力強く、そして繊細なやきものの奔 放さを包み込み受け入れる作品を作り続けて行きたいと考えています。《鑑賞》オブジェオブジェは、張りと弛緩の美しい調和がギャラリーの白い静寂の空間により一層美しい佇まいとなっています。裂いたような作りは練り込み技法により生み出しています。偶然ではなく作り手が意図して生み出している造形です。自然な造形は作り手の研鑽の証、感じ入りました。オブジェなど大きな作品の世界観を小さな器に落とし込むのは至難の技である事は多くの作り手から拝聴し重々承知しておりますが、願わくば同技法で酒器を拝見したいと願うばかりです!工芸愛好家の戯言、恐縮です!悦と長次郎の写しは、写しという世界に留まらず独自の世界観を生み出している。
2019 多治見市陶磁器意匠研究所 卒業現在 金沢卯辰山工芸工房<賞歴>2018 高岡工芸クラフトコンペティション 入選2019 第4回 金沢・世界工芸トリエンナーレ 入選2020 第76回 金沢市工芸展 北國新聞社社長賞2020 第54回 女流陶芸公募展 入選2021 笠間陶芸大賞展2021 優秀賞
《作り手HPより》私は、陶芸において、ごく当たり前に使われる土と釉薬を、融点の異なる陶芸素材と再解釈しやきものの新しい表現を追求したいと考えています。手でつくる造形、火のエネルギー、素材の性格が、それぞれに能力を発揮して、折り合いのついたところが、形となり作品となります。 内側と外側の最小限の境目のように、手捻りで薄く伸ばされた土。表面に現れるシワの跡は、地層のように成型時の環境やその過程があらわれます。 成型時の環境やその過程が強調されるように、母体となる土に比べ、融点の低い釉薬が層の一つとなって、焼成で造形に変化をもたらしています。それは歪みやヒビ割れといった、陶芸では蔑ろにされてしまう荒々しい表情ですが、私にとってそれはとてもやきものらしく、力強く繊細な美しさだと考えています。 私の世代は、科学技術の進歩に伴い、多くのことをコントロールすることができる時代に生まれ育 ちました。隅々まで思考を巡らし、先回りして自分の思い通り物事を進めようとしたり、そうあることを 期待したり期待されたりします。しかし本当は、仕方のないことに諦めさせられ、救われることもあっ たはず。そう制作、作品を通し日々気づかされています。荒々しく、力強く、そして繊細なやきものの奔 放さを包み込み受け入れる作品を作り続けて行きたいと考えています。《鑑賞》オブジェオブジェは、張りと弛緩の美しい調和がギャラリーの白い静寂の空間により一層美しい佇まいとなっています。裂いたような作りは練り込み技法により生み出しています。偶然ではなく作り手が意図して生み出している造形です。自然な造形は作り手の研鑽の証、感じ入りました。オブジェなど大きな作品の世界観を小さな器に落とし込むのは至難の技である事は多くの作り手から拝聴し重々承知しておりますが、願わくば同技法で酒器を拝見したいと願うばかりです!工芸愛好家の戯言、恐縮です!悦と長次郎の写しは、写しという世界に留まらず独自の世界観を生み出している。
湯呑
96*96*H86湯呑
炭化焼成を巧みに操り生み出した美しい景色てす。口縁内側に配した銀彩は、胴の奥行きと広がりのある景色を約束された静寂の景色となる銀彩で整える意図があるそうです。動の炭化を静の銀彩で締めると言ったところでしょうか、感性が生み出した絶妙な組み合わせだと思います。経年による美しい渋銀を想像すると向き合っていくのが楽しみです。