三橋鎌幽鎌倉彫師(木彫彩漆作家)・ 現代美術作家鎌倉彫伝統工芸継承-
鎌倉時代の仏師につながる血筋。 800年続く伝統技の鎌倉彫を担う伝統継承者。 禅宗寺院出入りの職方として、仏具・茶道具制作を中心とする。一方で、現代の感覚に沿った作品を 世界へ発信し、パリで個展を行うなど国内外で多岐にわたって活躍中。
【主な略歴】1980年鎌倉生まれ2002年父三橋鎌嶺に師事2010年 建長寺管長 吉田正道老師より「鎌幽」の号を拝銘2015年 建長寺四頭茶会什器 香炉台制作(2018年前机制作)2016年 Artist in Hotel 「侍」ルーム制作 パークホテル東京2018年 CONDIZIONE 出展(フランス/パリ)MILANO SALONE 「Meet my project Milan」 出展(イタリア)[個展] Sway Gallery (フランス/パリ)[個展] 横浜高島屋建長寺主催「禅と茶道と鎌倉彫展」監修LEXUS NEW TAKUMI PROJECT 2018-2019選出2019年 円覚寺大香合制作(釈宗演百年諱並大用国師二百年諱記念)2020年【個展】 ジェイアール名古屋タカシマヤ【個展】 横浜高島屋2021年 アーティストスポンサー契約を株式会社プロシードと締結2022年[個展] 日本橋高島屋鶴岡八幡宮に伝来鎌倉彫頼朝香合写を神納【個展】 横浜高島屋[個展] 新宿柿傳ギャラリー2023年 [個展] ジェイアール名古屋タカシマヤ[個展] 日本橋高島屋2024年[個展] 京都高島屋

<三橋鎌幽のフィロソフィー>作品は、存在の本質を探求し、時間、記憶、意識の交錯を表現することを通して、 禅の根本思想である「無」や「空」の探求を行っています。存在は固定されたもので はなく、絶えず変化し続ける流動的なプロセスであるという禅的な認識が作品全体 に反映されています。過去の記憶や歴史は静的なものではなく、現代の意識ととも に絶えず再構築される動的な存在として扱われています。それぞれの作品は、瞬間瞬間に新たな意味が付与され、過去が現在に息づくプロ セスを具現化しています。このアプローチは、禅における「無常」の教えと重なり、すべ てが流れ、変化し、常に新たな形で生まれ変わるという認識を反映しています。作品 に見られる彫りの痕跡や色彩の層は、過去と現在が交差し、新しい意味を持って再 生される瞬間を象徴しています。特に三橋鎌幽が強調する「青」という色彩は、無限の空間と心の深淵を象徴し、過 去から未来へと続く「時間の無限の流れ」を映し出す役割を担っています。青の静 寂は、時間と意識の融合点へと鑑賞者を引き込み、過去と現在が一瞬にして交わ る場を提供します。彫りの痕跡は、時間の層が現代の意識と結びつき、「無限の連 鎖」として再生される過程を示しています。そして、作品は鑑賞者に自らを省みる場所を提供し、存在そのものが一瞬の中に凝 縮されているという「今ここ」の重要性を問いかけます。この「今」という瞬間が、過去 と未来が融合する「永遠の今」として表現され、静寂の中で本質を知る瞬間を創り 出します。作品そのものが、禅の教えを通じて時間と存在の本質を問いかけ、内面 的な洞察を引き出す媒介となっています。
鎌倉彫 三橋鎌幽 展(2024.10)横浜高島屋7階美術画廊掲示物より