三上 亮


土を掘り、粘土を育て、薪を割り、蹴轆轤(けろくろ)を足で回し、自ら作った窯で陶器を焼き上げます。今できたばかりの新作にも関わらず、彼の作品には古窯の中から掘り出された陶器のような歴史が刻まれているのを感じる。 それは、しつこいほどに注がれる焼き物に対する情熱で、先人たちの技術を探り、その上で「焼き損じの中に美しいものを見つける」という、規範の「美しさ」に捕らわれない心の強さから生まれているのかもしれない。 そんな彼のものづくりの意識は、大病からの復帰、東日本大震災、そして福島第一原子力発電所事故の発生を経て、大きく転換していった。芯技法を「キュビズム」と名付け、2012年発表します。作品名は『STARDUST』、その作品を目にした人々は、皆驚きに包まれます。(三上亮 作陶ドキュメンタリー『STARDUST』紹介文より抜粋)1959年北海道生まれ 東京藝術大学大学院修了故・浅野陽に師事 2021現在 東京藝術大学 美術学部 工芸科 教授